クリスクラフトの歴史はまさにアメリカンドリームそのものである。
フォード社の創設者ヘンリー・フォードが最初のモーターカーを製造した頃、 マホガニー製の小舟にエンジンをつけようと奮闘していたのがクリストファー・コロンブス・スミスである。

1874年、ミシガン州の川沿いの小さな町ポンデュセーヌで、 わずか13歳のクリス・スミスは初めてエンジン付きの小舟を作った。
これが後にアメリカを代表するボートビルダーの第一号作品となるボートであった。 1881年には弟のハンクもボート作りに加わった。
小型のハンティングボートの需要が高まるにつれボート作りはフルタイムの仕事となり、 スミス兄弟はボートビルダーとしての礎を築いた。
1927年頃までにアメリカでも最大規模のマホガニー製ボートのビルダーとして知られるようになる。
この頃までに実に139ものマホガニーボートを建造していた。
1959年プレジャーボート文化の盛り上がりを受け、タイム誌はボート特集を組んだ。 彼らがその表紙に選んだのはクリスクラフトであった。
その豊かな歴史、高い品質と確立されたスタイルはアメリカ、のそうそうたるアイコン達 --フランクリン・ルーズベルト、J.F.ケネディ、フランク・シナトラ、オードリー・ヘップバーン-- をも虜にした。

クリスクラフトをアメリカンレジェンドたらしめるのはその輝かしい功績と伝統だけではない。常に未来に向けた先進的なビジョンを持ち、進化への挑戦をやめない精神がそこにはあるのだ。
最後のマホガニーボートが1971年に作られ、ボートの材料がやがてファイバーグラスに変わっても そのスピリットは脈々と受け継がれていく。
80年代には特にレースボートの分野でその本領を発揮し、先端技術と伝統的手法の両方で高い評価を維持し続けた。
2014年、140周年を迎えたアメリカンレジェンドは今なお前進し続ける。
2013年にはCorsair 34が、アメリカを代表するボート雑誌MOTOR BOAT & YATCHINGが主催するBest Sport Boat Awardを優勝、2018年にはCalypso 30がSport Boat & RIBS部門で優勝した。
また、アメリカのマリン製造業界最大の協会であるNMMAより顧客満足度の高いビルダーに送られるカスタマーサティスファクションアワードを2017年と2018年連続して受賞している。

歴史と伝統に裏付けされた確かな技術を手にしながら、レジャークラフトの進化に向けて妥協なき挑戦を続けるー　それがクリスクラフトである。